建築士コラム

建築とデザイン

角南 公淑

空気感

◎はじめに

空間の表層だけを整えるだけではなく空間を包み込む背景・時間・ストーリーをいかに表現するかでその場所に訪れた人々の五感に伝わる「空気感」が生まれると思います。

弊社の移転に伴いエントランスに弊社を素材に注視して空間の空気感をデザインしました。
◎エントランス

お客様をお招きする空間は導かれるように気持ちを切り替えるアプローチ空間のような佇まいを考えました。曲線のある壁の方の床に砂利とライン照明によって奥へと導く設えとしています。

砂利は庵治石を選択しました。庵治石は香川県の庵治・牟礼両町の境に位置する五剣山(ごけんざん)より採掘される花崗岩です。

庵治石は世界でも稀な美しい石質と加工技術によって、「花崗岩のダイヤモンド」と呼ばれ天下の銘石の名を不動のものに築き上げています。また墓石として使われています。

庵治石の最大の特徴は、石の表面に「斑(ふ)」と呼ばれる幻想的な二重のかすり紋様が現れ、奥行きのある優美さを感じさせる石目があります。
もう一つの床材であるフローリングはナラのフローリングです。ここでもできるだけ自然素材を使って素材感を選択しています。

ナラは広葉樹の中でもかなり硬い木です。ただ、硬い木だといっても土足で一日数十人が出入りするであろうオフィスの床材としては耐久性にかける可能性があります。

そこで上に塗膜でのコーティングが考えられますが、せっかくの自然素材としての木の表情がピカピカのコーティングで素材感が損なわれてしまうと思い、木の本来の風合いや感触を残したまま歩行頻度の高いオフィスや商業施設でも採用がされてきているボナ社製のウレタンのツヤ消しで少し自然に古美びたようなシルバーと白の中間になるような色目で塗装しています。

これがなかなかの耐摩擦性のある塗料であると実感しております。
壁は木毛セメント板を採用しました。木毛セメント板とは燃えない建材としてドイツから輸入されました。

関東大震災での火事による死傷者が圧倒的に多かったこともあり、震災での復興物資として数多く使用されるようになりました。下地材としてのイメージが強いかもしれません。

細長く削り出したリボン状の木材をセメントペーストで圧縮した成型板であるこの板材はこの特異な表情がおもしろく、窓からはいってくる自然光の時間による光の表情でこの壁の表情が刻々と変わるような違いがあります。

時間によってはまた違ったアプローチ空間となります。時間によって雰囲気の違いを感じてもらえるようにしています。
◎おわりに

このような佇まいや素材感で空間を構成する事で弊社のデザインを感じてもらえるような空気を考えました。

弊社を訪れる際は時間を変えて何度も訪れてみてください。昼と夜の雰囲気の違いを楽しんで頂ければと思います。

OTHER COLUMN

代表の想い

建築士松永 康宏

大阪市内 中高層建築物設計業務件数2位

プロジェクトの足跡

建築士水口 真希

建築士が担う役割について

プロジェクトの足跡

建築士上野 隆一

デザイン&ストラクチャー Vol.2 
「JSCA構造デザイン発表会2019」

建築士コラム一覧に戻る

RAFT 株式会社ラフト