建築士コラム

代表の想い

松永 康宏

設計事務所の経営指標

はじめに
法律的には建築士の資格を取得すると、設計事務所の看板を上げることができます。創業時の設備投資が少ないため、自宅からでもスタートできる業種です。

経営的な勉強をしてなくても、創業することができるので起業しやすい業種かと思います。おそらく設備投資や借入金が少ないため資金繰りが容易なことも要因していると思います。
経営
もちろんのこと、学校の授業では設計事務所の創業方法などの教育もなく、単純に良い建物の作り方の教育しかなかったと思います。設計事務所へ勤めている時代に、経営的な指標や年度目標数字など聞いたこともありませんでした。ただ、目の前の仕事に没頭し良い建物を作るために邁進していました。

前職でゼネコン設計部として役員をさせて頂いている時期に、ようやく財務諸表を少し勉強した程度で創業しました。

創業当初、ある設計事務所の代表から「設計事務所は両輪でないといけない。片輪は設計、片輪は経営。片輪ではバランスが悪いからいつか転ける。」とご教授頂いていたので経営の必要性を感じておりました。

経営とは具体的に贅肉のない筋肉質な高収益体質をつくることです。
ラフトを創業しどのような経営的な数字を目標にすれば良いか手探りで始めました。

初めは様々な数字を指標にしていましが、設計事務所の経営と乖離しているように感じていました。無借金経営になった現在では、シンプルな数字を追いかけるほうが良いと思い4つの指標に絞っています。

第4期決算(平成30年9月~令和元年8月)
1. 自己資本比率     45.9%
2. 売上高経常利益率   10.1%
3. 1人当たり付加価値  958万円/人
4. 現金預金残高     平均月商3.4ヶ月

一部は大企業と肩を並べる数字もあるのですが、まだまだ中小企業の領域にとどまっている印象です。直近の課題としては、現金預金残高を平均月商8ヶ月分を目指し、不況が訪れても1年間は従業員の給与を支払える体質にしたいと思います。
設計と経営
なぜ、設計と経営の両輪でないといけないか。

建物の寿命は平均で65年に伸び、次世代に受け継がれるようになってきました。どこまで責任を持つ企業であるかが問われています。

私たちラフトは「100年間愛される建物を創る」を目指しています。設計した建物に責任を持ち、次世代へ受け継げるように、情報の伝達と技術を提供する必要があると思います。

そのために、永続的に発展する会社の基盤を作る必要があります。その基盤とは不況に負けない高収益体質であり、内部留保だと確信しました。

私たちラフトは両輪をバランスよく回転させ、未来に歩んで行きたいと思います。

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