建築士コラム

代表の想い

松永 康宏

会社の成長段階に合った組織づくり

「グレイナーモデル」は5段階企業成長モデルとも呼ばれ、1979年にラリー・E・グレイナーがハーバード・ビジネス・レビューに発表した論文に掲載されている企業の発展モデルです。
企業の成長とその都度発生する壁(問題点)について明確にされています。
今回は「グレイナーモデル」をベースにラフトの組織づくりをご紹介します。
第1段階(〜 10 人)
創業時は会社のトップがリーダーシップを持って引っ張って行くイメージです。
トップ1人の能力がそのまま会社全体の売上とイコールになり、トップが止まると会社が止まる、リーダーシップの限界がこの第1段階の壁です。

ラフトは4人で創業し、創業当初からデザインを全員で組み立ててきました。
各物件ごとに担当者と私とでディスカッションを行い、時間はかかりますが一緒にデザインを生み出すことで、様々な課題をデザインに落とし込む手法を共有することができました。
結果、リーダーシップの限界の壁はクリアすることができました。
第2段階(〜 30 人)
焦点としては生産性向上。
スタッフが増える分、生産性を高めないと人件費がカバーできません。指示待ちのスタッフをなくし、自主的に動くスタッフへと成長させる必要があります。

そのために必要なのが、権限委譲による成長です。社員に、より大きな責任と権限を渡して、彼らに責任感を持って自主的に働いてもらおうということです。
まさにラフトはこの段階で住宅設計室、施設設計室、構造設計室、設備設計室と各部門ごとに権限委譲を行い、さらに各室の中に3〜4人1チームに細分化されたチーム構成としています。
それぞれのチームで物件のQCD(Quality=デザイン、Cost=粗利益、Delivery=スケジュール)をマネジメントしています。
第3段階(〜 50 人)
統制の危機というのがあります。
社員に権限委譲をして仕事を任せると、それぞれのやり方で仕事をやり始めます。そこを調整する役割を設けて、各部門で同じような基準、同じような価値観でやっていこうと調整するのがこの段階だと思います。

ラフトでは、デザインレビュー(設計の各フェーズごとに品質を確認する)やフィロソフィ( 行動指針)やキャリアマップ( 等級制度)などを運営することで、将来起こるであろう第3段階の壁である価値観の共有を行っています。
[グレイナー5段階企業成長モデル]
第4段階(〜 100 人)
最終的な成長ステージに至るための壁は官僚化です。
公式的な手続きが会社の中では重視されていきますが、さらに成長するためには自主性が大事になってきます。ラフトではできるだけ、ルールを減らして自主性を重んじる文化をつくっていきたいと考えています。
以前にお話しした伊那食品さんのように、ルールが一切ない中でスタッフが自社の庭を自主的に掃除しているような文化です。
第5段階( 100 人〜)
ここでの壁は心理的満足という言葉が使われています。
人間関係であるとか、将来の自分のキャリアだったりとか、そういう心理的・感情的な面がやはり気になってきます。それを会社側が提供できないと、危機が訪れるということだと思います。

ラフトでは年8回の面談を行うことで、スタッフ一人一人の目標を確認し、目標に合った業務を行ってもらいます。また、スタッフから提案のあった改善案を会社の制度に反映することで、参加型経営のスタイルを構築しています。

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