建築士コラム

代表の想い

松永 康宏

会社にフィロソフィが必要か?

会社のフィロソフィなど考えたこともなかった。
会社は、仕事をするための器であり、個人と社会をつなぐ場所。そんな会社にフィロソフィ(経営哲学)が必要なのか。

過去、複数の設計事務所で働き、この業界で仕事を始めて 25 年になります。どの事務所にも仕事上のスローガンなどはありましたが、目の前の課題に対する判断基準や、それらを会社としてどのように捉えるかなど明文化されたものはありませんでした。書籍から得た知識、上司の言葉、経験したことを記憶し、これまで仕事のスタイルを築いてきました。お客様や施工業者様と仕事をする中で培った考え方を積み上げて、判断基準をつくってきたように思います。そう、自分で経験し体得するしかなかったのです。

20 年前はこのような環境が一般的で、フィロソフィなど考えたこともありませんでした。
自分たちに合わせたラフトフィロソフィを作成。
創業してすぐは、売上をあげ、給与を渡し、利益を残す。お客様からの仕事の機会をとにかく増やすことに邁進していました。

そして、会社が少し安定した2年目、「会社にフィロソフィが必要か?」と疑問を抱いていたタイミングで、京セラの稲盛氏が主催する会へ入会する機会がありました。京セラフィロソフィをそのまま自社のフィロソフィにする方も多いようですが、ラフトの肌感に合わない部分をどのようにするか思案していました。

ある会合で元日本航空会長補佐の大田氏への質疑応答があり「フィロソフィは企業文化に合わせて独自につくられるのが望ましい」と伺い、フィロソフィの作成に着手。ラフトでは京セラフィロソフィを参考に1項目300字ほどの文章を 38 項目つくりました。京セラフィロソフィは製造業の方への文章になっていたため、自社の建築設計サービスに合わせた文章に編集し、わかりやすくしました。その後、他社のフィロソフィ勉強会に幹部社員と共に参加し、どのように自社内に浸透させるかの打ち合わせを重ねました。
フィロソフィによって生み出されるもの。
毎週月曜日に開催する勉強会では、フィロソフィを輪読し、これまでの自分の体験を交えて3分間のスピーチを行っています。
同じフィロソフィの項目でも、スタッフごとに体験が異なるため、捕らえ方に個性が出ることに驚きます。

他社の朝礼で、スピーチに積極的に参加していない光景を見たことがあります。中にはその場しのぎのために、朝礼ネタなどをWEBで検索する人もいるようです。
勉強会でのスピーチは、スタッフそれぞれの考え方を共有する場になっており、話す人も聞く人も積極的に取り組んでいます。一緒に働くスタッフの考え方を知ることで、深いところで心の繋がりができているように感じます。

現在、社員数は30 人を超え、今まで以上にフィロソフィを信じて経営を行っています。それは、皆の心を一つにすることが必要だと感じているからです。

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