INTERVIEW.03

#01 ラフトと出逢ったきっかけ

ー まずは、ラフトとの出逢いのきっかけからお話しください。

中野様クリニックを開院するにあたり4つの設計会社さんにコンペを依頼したのですが、そのうちの1社が松永さんの会社でした。松永さんたちにお仕事をお願いしようと決めたのは、「私のやりたいことを分かってくれるだろう」と思えたから。他の3社は医療系施設に特化した設計会社で「こなれている」という印象だったのですが、松永さんはそうではなく、他とは異なる個性を感じさせてくれたんです。「よくあるふつうのクリニックにしたくない」と思っていたので、このひとなら一緒にクリニックづくりを楽しめるだろうと思えました。

松永ありがとうございます。確かに、先生と初めてお会いした2012年時点の私たちには、医療系施設の設計実績は多くありませんでした。それだけに、こちらのクリニックを設計することは、私たちにとってとても有意義な経験となりました。設計にあたっては、「子どもたちが喜んで通えるようなクリニックにしたい」という先生のご要望に応えられるよう、いろいろとアイデアを提案させていただきました。

中野様小児科クリニックにとってもっとも大切なのは、「子どもと親御さんが安心して通える場所であること」だと思っています。だから、病院にありがちな「無機質な白いハコ」にはしたくありませんでした。子どもたちが身構えてしまいますからね。こうした私の考えをよく汲み取って、楽しい雰囲気があふれる空間に仕上げていただいたことに感謝しています。

松永その雰囲気をいちばん表しているのは、やはり、無垢のパイン材を使ったエントランスと待合スペースですね。先生からいただいた「キャンプ場やログハウスのような雰囲気にしたい」というイメージを具現化できるよう、細部までこだわりを詰め込みました。

中野様おうち型の待合スペースは、当院のモニュメントと呼ぶべき自慢の空間です。子どもたちはほぼ100％、この空間に夢中になるんですよ（笑）。また、無垢の木のおかげで院内全体にあたたかみがあるのもいいですね。おかげで「ぐんぐんなら子どもが泣かないんですよ」と親御さんから言われることもしばしば。まさに理想の反響をいただいています。

#02 ラフトの仕事に対する評価

ー ラフトの仕事ぶりに対する評価をお聞かせください。

中野様初めの段階で「模型」をつくってきてくれたのは、うれしい驚きでした。本気度が伝わってきましたし、何より模型を見るとイメージがぐんぐん湧いてきて、提案内容がすーっと頭に入ってきました。打ち合せが進んでいく中でも、常に想像の斜め上をいく提案をしてくれて、感心しきりでした。

松永いやいや、恐縮です。このクリニックの設計は、先生との共同作業で進めていったという印象です。先生からもたくさんアイデアをいただき、それを刺激として良いものをつくろうと思案を重ねました。

中野様コンペを依頼する際、オリエンテーションとしてオーダーを10項目ほど箇条書きにしてお渡ししました。各社ともオーダーに沿った提案をしてくれたのですが、松永さんは少し違いました。オーダーをクリアした上で、さらに、それを上回る提案をしてくれたんです。その後も、こちらが「10」をお願いすると、必ず「12」か「13」で返してくれて……さすがプロだな、と。オーダーの根本にある、言語化できない「本質的な想い」を汲み取っていただけたと感じ、とてもうれしかったです。

松永ありがとうございます！　でも一度だけ、「松永さんならもっと良いアイデア出てくるんじゃない？」と発破をかけていただいたこともありましたよね（笑）。私も負けず嫌いなので、あのときは発奮して頭をひねりまくりました。

中野様それは私の作戦勝ちですね（笑）。松永さんのことだから、そう言うと、きっとすごいアイデア出してくれるんだろうなと信じていたんです。でも、おかげさまでほんとうに良いクリニックになったと大満足しています。ありがとうございます！

#03 これからの展望について

ー これから挑戦したいと考えていることはありますか？

中野様まだ場所は決まっていないのですが、近い将来、新たにクリニックを開院したいと思っています。小児科クリニックが不足している地域に開院し、子育て世帯をサポートできれば、と。その際は、またラフトさんにお願いしたいと思っています。

松永ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いいたします！

中野様ラフトさんに設計を依頼した、私の先輩のクリニックもすごく良い雰囲気ですよね。正直、うらやましいと思えるほどです。だから、次もぜひ！　今後ともよろしくお願いします。